20年後も続いていたO157の「悲劇」 集団食中毒は近年でも起きている

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冬場でも感染力が強い細菌

   O157の感染例は、実は全国各地で毎年報告されている。国立感染症研究所がウェブサイト上で発表した、O157を含む腸管出血性大腸菌感染症の発生動向調査(3月23日集計分)によると、2016年第1週(1月13日時点)~第11週(3月20日時点)の累計感染者数は、全国で135件。うち大阪府が最も多く27件で、東京都が16件、北海道9件と続く。食中毒の多い夏に多くなると考えられる半面、真冬でも発生数が多いのは、O157の感染力が強いためだ。

   堺市の事例ほどではないが、集団感染は近年でもしばしば報告されている。2015年8月、島根県の私立益田東高校の寮で、O157に感染した人数は30人を超えた。

   感染しても症状が治まる人が大半だが、長年後遺症に苦しみ、場合によっては長い年月が過ぎた後でも死に至るリスクがあることを、今回のケースは示した。O157を避けるには、当然ながら予防策の徹底が重要だ。食中毒を防ぐために手洗い、食材の冷蔵保存、十分な加熱、調理器具の洗浄や消毒といった点を常に心がけたい。

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