名誉キャプテンのような肩書きで日本選手を励まして欲しい
スポーツジャーナリストの菅谷齊さんに話を聞くと、日本のオリンピック選考で一番厳しいのは水泳であることを選手全員が知っているうえ、選手は決勝戦に向け照準を合わせてくるため準決勝の記録は選考の参考にはならない、と指摘する。
「北島を五輪に行かせたい、というのは日本人特有の考え方だとは思いますが、後出しルールは許されないし、仮に『救ってやった』みたいにして北島が出る事になれば、北島はそれを受けないだろうし、バカにするな!!!と激怒するのではないでしょうか」
北島選手は16年4月8日に行われた平泳ぎ200メートル決勝でも5位に終わった。優勝は100メートルでも優勝した小関也朱篤選手で、派遣標準記録を突破して、2位の渡辺一平選手とともに五輪出場が決まった。
5大会連続の五輪出場を完全に逃した北島選手はこの日、記者団に「やり切った感でいっぱい。(真剣勝負は)これが最後です」と語り引退を表明した。引退について菅谷さんは、前回のオリンピックから選手としての衰えは明らかであり、今年の五輪選考レースに出場した理由がわからない、と首を捻った。
「ただしあれだけのレジェンドなわけだから、選手の間からは頼りにされ尊敬されています。リオ五輪に行くのなら、名誉キャプテンのような肩書きで日本選手を励まし支えるような役割を担ってほしいなとも思います」
菅谷さんはそんな展開を期待している。