レンコンには花粉症やぜんそく、脂肪燃焼の効果が期待される――。2016年4月7日付で掲載した「レンコン(前編)」では、このような点に焦点を当てた。
「後編」では、レンコンに含まれる健康成分や、おいしい食べ方を紹介する。
しぼり汁を鼻の内側に塗っただけで鼻づまりに効果
「レンコン博士」として名高い埼玉医科大学の和合治久教授のウェブサイトをみると、レンコンの健康効果を高めている主役たちをこう説明している。
(1)タンニン:アレルギー症状を抑えるほか、血管を収縮させる作用がある。これを利用して生のレンコンをおろし、しぼった汁をさかずきに2~3杯飲むと、鼻血や痔の出血、子宮からの不正出血などを止める効果がある。
タンニンには炎症を抑える働きもあるため、しぼり汁にハチミツとお湯を注いで飲むと、風邪の特効薬になり、腸炎による下痢にも効果があるそうだ。
(2)ムチン:レンコンを切ると出る独特の粘り成分。オクラやヤマイモにも含まれる。粘膜を保護、修復する作用があるため、レンコンのしぼり汁を鼻の内側に塗っただけでも花粉症のつらい鼻づまりに効果がある。
(3)ビタミンC:レモン果汁に匹敵するほど含まれている。抗酸化力が強く、肌のハリを保ち、コラーゲンの産生を助けるので美肌効果が期待できる。ビタミンCは熱に弱いが、レンコンはデンプンが多くビタミンCを包んでいるため、加熱しても壊れにくいのが特徴だ。
ちなみに、レンコンとの食べ合わせで女性にオススメなのがアボカドだ。アボカドはビタミンEが豊富。ビタミンEとビタミンCは、お互いに相手の働きを助け合う作用をする。しかも、ビタミンEは細胞の若返りを図る働きがあるので、一緒にとると、ビタミンCの美肌効果との相乗効果で体全体の若返りが期待できるというわけだ。そこで、レンコンの穴にアボガドを入れる「レンコンのアボガド詰め」がお酒のツマミやおかずに最適だ。
日本一の産地・茨城県のご当地レンコン料理
さて、レンコンはどう食べるといいのだろうか。TBSテレビ「この差って何ですか?」(2016年2月14日放送)では、レンコンの日本一の産地である茨城県霞ケ浦周辺地域の小美玉市の主婦たちが作るご当地料理を紹介していた。
【茨城流・筑前煮(4人分)】
(1)小ぶりのレンコン1個をすりおろし、しぼり汁をつくっておく。
(2)皮をむいた小ぶりのレンコン4個を丸ごと醤油(しょうゆ)とみりんで約1時間煮詰める。
(3)鶏肉、ニンジン、シイタケ、ゴボウ、コンニャクを一口サイズに切る。
(4)(3)の食材とレンコンを煮詰める。
(5)煮えてきたら、作っておいたレンコンのしぼり汁を入れる。
(6)トロみがついてきたら、火をとめる。
(7)盛り付けの時に、キヌサヤ10枚を乗せたら完成。
【茨城流・はさみ揚げ(4人分)】
(1)まず、つけたれを作る。フライパンにストレートのめんつゆを入れる。
(2)(1)にすりおろしたレンコンを入れ、火にかける。
(3)3分ほど煮込んでとろみをつけて、つけたれの出来上がり。
(4)レンコン2個は皮をむかずに輪切りにする。
(5)鶏ひき肉とみじん切りにしたレンコン、ひき割り納豆を混ぜ合わせる。
(6)(5)をレンコンではさみ、衣をつけて170度の油で揚げる。
(7)つけたれとすりおろしレンコンを火が通るまで鍋で混ぜる。
(8)器に盛ったら完成。
レンコンの選び方のコツは、ふっくらとした太いものがいい。丸ごとの場合は表面につやがあり、固く黄色っぽい色味のものを。切ってある場合は肉厚で穴が小さいものがおいしい。