「絶好調」伊藤忠、初の利益トップに立つ 他社と明暗を分けたのは「脱・資源」

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大手商社は2000年代「資源」で大儲け

   資源は国際市場で取引され、価格の変動が大きく、好調時には巨額のもうけをもたらすビジネスだ。大手商社は2000年代に入って以降、原油価格の上昇局面などで好業績を維持。資源分野に強い三井物産は2012年3月期に4000億円を超える最終利益を確保。三菱商事は2015年3月期までの5年間でもうけた約2兆円のうち、約6割にあたる約1.2兆円は資源からだった。

   三菱商事は「資源分野の資産規模が大きくなったうえ、投資マネーの流入で価格変動が激しくなった」(小林健社長=3月発表当時、4月1日付で会長)、三井物産も「しっかり精査して良い案件に投資してきたが、(銅などの)想定以上の価格下落で損失計上を余儀なくされた」(安永竜夫社長)と、今回の赤字の理由を説明する。

   もともと、モノの売買を仲介して手数料(口銭)を稼ぐのが商社の事業モデルだった。しかし、メーカーが自分で原料を調達したり、小売店に商品を届けたりするようになると、仲介貿易や卸といった伝統的な仕事から、自らが生産や販売の主体となる事業投資へと軸足を移した。小売業なら、住友商事のサミットストア、三菱商事のローソンなどがある。

   ただ、投資の失敗はこれまでも多かった。代表例がバブル期の土地など不動産投資や財テクで、巨額の不良債権を抱え、その処理に何年も要し、9大商社の中にも経営危機に陥って救済合併に追い込まれる会社が出るなど、「商社冬の時代」と呼ばれた。今回の資源ビジネスも、構図は同じ。天然ガスや原料炭など資源分野で直接投資に乗り出し、1000億円単位の巨額の資本を投下し、桁違いの収益高収益を享受した時期もあったが、反転した時の傷もまた深かった。

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