外国人を「労働力として活用」 議論の行方と「移民容認」との関係

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移民政策には踏み込まない方針だが...

   首相や木村氏の発言は、外国人を明確に「労働力」と位置づけて受け入れようとするもので、ここまで踏み出さざるを得なくなったのは、現行制度が限界にきているからだ。技能実習には、実質的に労働力として活用しているにもかかわらず、不当な処遇や低賃金が国際的に批判されている。厚生労働省と法務省はここにきて重い腰を上げ、対応に動き始めた。

   年明けに、2016年中にも監督組織として「外国人技能実習機構」を設け、受け入れ企業に届け出を義務付け、賃金水準など日本人と同等以上の待遇を求め、違反すれば罰金や行政処分の対象とする方針を打ち出したが、「研修」の建前にこだわれば、実態とのかい離は埋めきれない。企業側からは、「せっかく鍛えて戦力になった優秀な外国人でも、3年なりの年限が来たら帰国しなければならないなど、極めて不合理」(あるメーカー関係者)といった不満が高まっている。

   ただ、議論がどう進むかは、予断を許さない。自民党など保守派、右派は元々、外国人が増えることに消極的。特に、労働力として受け入れるのはまだしも、永住資格などにつながる移民受け入れには拒否感が強く、安倍首相自身、「移民政策を取らない」と国会でも明言している。ただ、石破茂・地方創生相が講演やテレビ番組で「移民を受け入れる検討」の必要を述べているように、本格的な人口減対策として、移民容認論も根強い。

   諮問会議も、自民特命委も、移民政策には踏み込まない方針だが、「外国人を安易に使おうというだけでは、むしろ文化の面で摩擦を生むなど、日本の国際的な評価を落としかねない」(全国紙社会部デスク)との声もあり、議論の行方が注目される。

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