タクシー大手の日本交通が、運賃を変更する。東京都内での初乗りを1.059キロメートルで410円、237メートルごとに80円ずつ加算する運賃を、国土交通省に申請した。
対象は東京23区内と武蔵野市、三鷹市の営業区域。現行の初乗り2キロメートルで730円から、距離を短縮して安くすることで、高齢者などの「生活の足」として、また訪日外国人らにも乗りやすくして利用を増やす狙いがある。
「初乗り運賃」での利用者が全体の27%に
日本交通は2016年4月5日、運賃の変更申請を国土交通省に提出した。タクシーの初乗り距離を現行の2キロメートルから1.059キロメートルに短く、また運賃を730円から410円に安くすることで、「利用者の利便性を向上したい」という。初乗り後、237メートルごとに80円を加算。現行の初乗り運賃にあたる、約2キロメートルで730円になる。
高齢者や子育て中の主婦らの買い物や病院などへの行き来、雨天の通勤時などの自宅から最寄り駅までの利用、急ぎの移動時や大きな荷物を抱えているときなどにも、気軽にタクシーを使えるようになる。
同社が国交省への申請前に行ったシミュレーションによると、初乗り(2キロメートル以内)で下車してしまう利用者は、全体の27%にものぼった。「これまでは目的地まで2キロに至らず、730円分を使いきれないでクルマを降りる利用者がいましたが、距離を短縮して初乗り運賃を安くすることで、そういったケースを減らせると考えています」と話している。
「410円タクシー」に、インターネットでは、
「いい変更だと思う。場所によったら電車より早いから乗ると思うよ」
「2人ならバスよりも割安。東京だと最寄り駅から1キロくらいで目的地に着くから、かなり利用しやすいな」
と、歓迎する声は少なくない。
その半面、
「なんやろ、内容量を減らしてお値段据え置きのスナック菓子みたいやね」
「渋滞にはまると時間経過で増額するのやめて」
「どうせ近いと煙たがるんだろ?」
「都心部はダブついとるだから、もっと価格競争させろよ。今の半額にならんと、気軽には使わんわ」
などと、なお運賃が「高い」との声も寄せられている。