悪い虫を防ぐには野菜をよく洗い、肉を十分に加熱しよう
宿主の脳神経に影響を与えるトキソトラズマ原虫の恐ろしい能力が、間欠性爆発性障害に関係があるのではないかと研究チームは注目したのだ。そこで、成人男女358人を対象に、(1)間欠性爆発性障害の人(2)それ以外の精神疾患を持つ人(3)精神疾患のない健康な人、の3つのグループに分けた。そして、トキソトラズマ症に感染した割合を比較した。すると、間欠性爆発性障害の人の感染率は、健康な人の2.4倍だった。ほかの精神疾患の人も健康な人の1.8倍だった。また、3つのグループの人の「攻撃性」と「衝動性」をテストで調べると、間欠性爆発性障害の人は非常に高かった。
コッカーロ教授は「攻撃性で問題を抱える人は、単なる性格ではなく、何らかの背景がある可能性があります。今回は因果関係を調べるのが目的ではありませんでした。また、トキソトラズマ症になった人が全員攻撃的になるわけではありません」と語っている。
専門家は、トキソトラズマ症を防ぐには調理時に野菜をよく洗い、肉を十分に加熱し、ネコの糞にふれないよう注意することをあげている。