「人工肛門」利用者は銭湯に行けないのか? 「入浴可能」指針の前に「生理的に無理」というホンネの壁

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全国浴場組合は「お断りしない方針」

   日本オストミー協会はオストメイトへの理解や周知を求める運動を続ける一方で、会員には「入浴時のマナー」を啓発している。具体的には、1泊2日で実施される研修旅行で、「入浴前には新しい袋に交換する」「袋が目立たないよう、肌色の保護シールを利用する」といったマナーを徹底するよう呼びかけている。

   ただ、ツイッターやネット掲示板などでは、「透明の袋で入浴する人もいるってこと?」「腸とか排泄物が見えてしまうのはどうなの」といった声が出ていることも確かだ。こうした意見が存在することを事務局長に伝えると、

「もし貴方が人工肛門を利用することになった際、自分の排せつ物をためた袋を、他人に見られたいと思いますか?」

として、「本人が一番、他人に気づかれたくないと思っているんです」と訴える。その上で、多くのオストメイトは先述の基本的なマナーに加えて、「浴場が空いている時間を選んで入る」「消化が活発な時間は入浴を避ける」などの配慮に努めているとも明かした。

   では、入浴施設側は「オストメイトの利用」をどう捉えているのだろうか。全国2800以上の公衆浴場が参加する「全国浴場組合」は、4月6日のJ-CASTニュースの取材に、

「当組合では、オストメイトの方を『お断りしない』という方針を明確にしています。ですが、実際の判断は現場任せで、他のお客様が苦情を寄せる可能性があるといった理由で、オストメイトの方の利用を断っている店舗もあるようです」

と現状を語った。

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