厚生労働省の医師需給分科会が2016年3月31日に開かれ、全国の医師数が2040年に1万8000人過剰になるという推計をまとめた。医学部の定員数が拡大してきた一方、人口減少の影響で、必要とされる医師の数は将来に向けて少なくなるのが主な原因という。
過去には医師不足だったことから、政府は08年度から16年度にかけて大学に医学部の定員増を認めてきた。その結果、全国の医学部の総定員数は、07年度の7626人から16年度には9262人まで増加した。今後、定員数が16年度のまま続くと仮定すると、15年に27万4000人だった医師数は33年には32万人となり、不足が解消される。さらに、40年には33万3000人に達し、1万8000人過剰になると見込まれる。
一方で、地域や診療科によっては医師不足が続くことも課題として指摘された。同省医政局医事課は4月5日、J-CASTヘルスケアの電話取材に対して、「推計結果を踏まえてさらに議論を重ね、医師の過剰供給や偏在を解消する具体策を講じていきたい」とこたえた。