東京都心の高級マンション市場の行方 「販売価格の高騰」の陰で起きている異変

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中国経済減速... 「今のうちに買っておきたい」と海外投資家

   東京都区部の新築マンションの販売価格は、建築費の高騰や国内外の富裕層による積極的な投資によって上昇の一途にある。価格が上昇すれば、一般消費者には手が届きにくくなるものだが、都区部のマンションの契約率は、販売の好不調の目安となる70%を超える75.7%と、3か月ぶりに70%を超えた首都圏マンション全体(72.9%)を押し上げた。なかでも、超高層マンションの契約率は80.7%と絶好調だった(不動産経済研究所調べ)。

   都心の高級マンションの販売価格を押し上げているのは、国内外の富裕層であることは言うまでもない。中国人に限らず、外国人投資家の目には、日本の不動産は海外の東京と同じ規模の都市と比べて、かなり安くみえるとされ、「中国経済が減速しつつある中で、今のうちに日本の不動産を購入して投資しておきたいという海外投資家は相応にいるので、『爆買い』というほどではありませんが、着実に売れているというところ。『億ション』も飛ぶように売れているというものではなく、確実に供給分だけ需要がついてきています」と、前出の不動産アナリストは話す。

   日本銀行によるマイナス金利の導入の影響で、住宅ローン金利も低い水準にあり、また「先送り論」が浮上しているとはいえ消費増税の駆け込み需要もじんわりにじむ。それらが追い風となって、マンションの売れ行きが引き続き伸びるとの見方がないわけではない。

   とはいえ、不動産アナリストは「高額物件を購入できる富裕層が、そうそう無尽蔵にいるはずもないので、供給戸数はかなり絞り込まれています。契約率は高く保たれているようにみえますが、新築市場はシュリンク(縮小)し始めていると言ってよい状況にあると考えています」と指摘する。

   中国人などの外国人投資家ばかりに頼っている状況ではない、ということのようだ。

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