株価がアベノミクス「停滞」と連動し始めた 「円安・株高」の逆回転が止まらない

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市場は消費税増税「先送り」を織り込み済み

   一方、株安を引き寄せた円高は企業心理を悪化させている。日銀が4月1日に発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、最も注目される「大企業・製造業」がプラス6と2四半期ぶりに悪化。DIの水準は2013年6月(プラス4)以来の低水準に落ち込んだ。黒田東彦日銀総裁による「異次元緩和」が始まったのが2013年4月だから、そのころの水準に戻ってしまったとも言える。先行きの不透明感も広がっている。

   アベノミクスは大規模な金融緩和によって円安・株高に導き、自動車など輸出産業の企業業績を改善させたことがこれまでの主な成果だった。労使交渉への異例の政府の介入もあったものの、賃金上昇が消費拡大を招き、それがさらに企業業績を改善させる好循環の波に乗りきれないまま、景気が悪化しつつある。

   「株式市場は既に2017年4月の消費増税先送りや追加の経済対策を織り込んでいる」(国内系証券)とされ、安倍政権の経済政策の行き詰まり感が高まっている。

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