含み益が大幅に消し飛んでいる
年度ベースで5年ぶりに株価が13%下落したことは、企業が保有する株式の含み益の減少を意味し、財務体質を悪化させる。大和証券の試算によると、三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行5グループの年度末の株式の含み益は計約1兆9000億円減少した。それでも約6兆5000億円と、水準自体は依然として高いものの、今後もこの傾向が続けば、減損処理を避けるための株式売却が進んでさらに株価が下落する悪循環に陥る可能性も否定できない。メガバンク以外では日本生命保険が1兆3000億円、明治安田生命保険が約6000億円の含み益を失った模様だ。
株安は富裕層の消費意欲の減退につながるとされる。総務省が公表した2月の消費支出が、うるう年の要素を除いた実質ベースで前年同月比1.5%減と6カ月連続の減少となったことにも株安の影が見え隠れする。