中学生の「LINE」「ツイッター」監視に立ちはだかる壁 親もためらう柏市「実証実験」の中身

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   中学生がスマホで「LINE」や「ツイッター」を利用したやり取りを親に知らせ、ネット型非行を抑止する――。そんな実証実験プロジェクトが千葉県柏市で始まる。「バカ」「死ね」「キモイ」などのやり取りがあった時に、親のスマホやパソコンにアラートが送られ注意を促すというシステムだ。

   実施期間は2016年4月7日から7月20日までで、際立った成果があれば全面的に導入したい考えだが、壁になっているのは子供のプライバシー。100人から200人のモニターが集まればと市は期待しているものの、実際には「まだこれからという状態です」と厳しい船出になっているようだ。

  • 中学生のスマートフォンの所持率が増加したことで非行傾向のない子どもが自分の意思に関係なく巻き込まれる「ネット型非行」が問題になっている(写真はイメージ)
    中学生のスマートフォンの所持率が増加したことで非行傾向のない子どもが自分の意思に関係なく巻き込まれる「ネット型非行」が問題になっている(写真はイメージ)
  • 中学生のスマートフォンの所持率が増加したことで非行傾向のない子どもが自分の意思に関係なく巻き込まれる「ネット型非行」が問題になっている(写真はイメージ)

「バカ」「死ね」「キモイ」などの単語があれば親に通報

   この実証実験はスマホやSNSアカウントのデータを自動収集・分析するWebサービス「Filii(フィリー)」を展開しているエースチャイルドと、日立製作所の協力で行われる。

   具体的には、子供が使っているSNSやスマホデータへのアクセス許可を得た上で、子供が使っているスマホと親のスマホもしくはPCにソフト「Filii」をインストールする。すると、「LINE」「ツイッター」「カカオトーク」「Facebookメッセンジャー」などでのやり取りがあった際、そのデータを取得し、内容を把握できるようになっている。やりとりの中で「バカ」「ウザイ」「キモイ」「死ね」など、問題がありそうなキーワードが出てきた場合、親の端末にアラート通知する。親はどんなやり取りがあったのかを子供に確認し、実際にトラブルが起こった場合は柏市少年補導センターが窓口になり、学校や関係機関と連携して対応していく。キーワードには、ネットの隠語を含め2万文字が登録されている。

   なぜこのような実証実験を開始するのか。市の少年補導センターにJ-CASTニュースが取材したところ、スマホのSNSアプリを通じたいじめや、性、薬物、ネット依存といった、意図していなくてもいつの間にか巻き込まれてしまうネット型の問題や非行を抑止するためだという。市ではこれまでもサイバーパトロールや情報モラル教育に取り組んできたが、「LINE」などSNSの中身にまで独自に踏み込むのは極めて難しく、保護者の協力が必要不可欠になってきたためだと説明している。

   これまで柏市では、SNSを通じて子供が起こしたトラブルとして、同級生の少女の裸の写真の共有、大勢で特定の子供の悪口を書きまくるイジメ、他校の悪口を書き込んだ結果20人対20人の決闘に発展したケースなどがある。また、ツイッターでは喫煙や飲酒をしているとつぶやいた子供もいた、という。

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