減量の「特効薬」として断食に挑戦したものの、すぐにギブアップした36歳・木村清志さん(仮名、以下キヨシさん)。2015年9月以来半年間続けてきたダイエットの成果を出そうと、最後のひと踏ん張りを見せたいところだ。
もちろん失敗ばかりではない。当初は身に着かなかった運動習慣が、着実についてきている。キーパーソンは2人の息子だ。
長男のパンチやキックを受けながら「いい運動」
キヨシさんは息子たちと遊ぶのが大好きだ。これまでも近所で一緒にサッカーや鬼ごっこをしたり、寒い季節には室内で相撲をとったりしている。2016年3月下旬、休日に出かけて2時間歩きながらスタンプラリーを楽しんだ。
「子どもたちに、お父さんカッコいいって言われたいんです」。そもそもダイエットを始めた理由が、これだった。最終段階で原点回帰して、モチベーションが高まってきたのかもしれない。
キヨシさん「週末、また一緒に外で運動してきましたよ」
息子たちを連れて、敷地の広い公園に出かけた。幸い穏やかな天候で暖かい日差しが降り注ぎ、3人で芝生の上でサッカーや相撲をたっぷり2時間楽しんだという。子どもたちも大喜びで、「また行きたい」と笑顔だったそうだ。
しかも、運動は週末だけで終わらなかった。長男の誕生日に、欲しがっていたボクシングの「キックミット」を購入し、キヨシさん自らがトレーナー役を買って出た。随分成長した小6の長男、パンチ力もキック力もなかなかの重みだ。
キヨシさん「息子の打撃を受けながら、私も結構体を動かすのです。かなりの運動量になった気がします」
断食に再挑戦を宣言、そして「最終章」へ
その次の週末も、息子たちを連れて公園に出かけた。鬼ごっこにサッカー、さらにフリスビーを投げ合って汗を流した。
平日は仕事で忙しいキヨシさん。以前は、土日になると家でソファーに寝転がって1日を過ごすことも少なくなかった。だが春の訪れとともに、気分転換に外出しやすくなってきたようだ。
編集部「でも、ダイエットを始めたのは昨夏の終わりでしたし、秋のさわやかな気候のときでもウォーキングはじめ、運動には消極的でしたね。どうして今回は続けられているのですか」
キヨシさん「うーん、『毎日歩かなきゃいけない』とノルマを課せられると、心理的な負担が大きくてイヤになっちゃうんですよね。それに比べて、子どもと遊ぶのはそれ自体が楽しいから、続けられるんです」
一緒に体を動かしてくれる「相手」がいるのも大きい。スロートレーニングでも、妻の美香子さん(仮名)が隣で励ましてくれるから、毎日飽きずにできる。ひとりで孤独かつストイックにダイエットというのは、キヨシさんには向いていないのだ。
直近の計量では、体重76.7キロと初めて「76キロ台」に到達した。ダイエット開始時から、ほぼ7キロ減だ。
キヨシさん「この調子で、最後にもう一度プチ断食にトライします」
編集部「わかりました。合わせて、この半年間で試してきたさまざまなダイエット法を今一度見直して、総復習してはどうでしょう。そのうえで、最終計量に臨むというのは」
いよいよゴールテープが見えてきた。次回、感動の最終回......の予定。