「だるい」「手足がつる」に並ぶ「沈黙の臓器」の3大症状
全身がかゆくて夜も眠れない日々が続くため、かなり深刻な症状なのだ。そのため皮膚科を受診する人が多いが、実は、皮膚科の医師の中には「かゆみ」が肝臓病の自覚症状であることを知らない人が少なくない。熊田氏がこう強調した。
「かゆみは『だるい』『手足がつる』と並ぶ3大症状ですが、患者が訴えないと医師が気付くことはできません。全国の肝臓病専門医や消化器内科・一般内科、皮膚科の医師計300人を対象とした調査では、医師の方から患者にかゆみの有無を尋ねて薬を処方した例は3割しかありませんでした。残りの7割は患者の方から訴えて薬を処方されたのです」
内科の専門医ですら知らない人がいるわけだ。このため、熊田氏は自分の病院内に「かゆみ」の重大性に警鐘を鳴らすポスターを張ったり、「肝臓病によるかゆみチェックシート」を作ったりして肝臓病患者の早期発見に役立てているほどだ。
「だるい」「手足がつる」に加えて、特に理由もないのに全身がかゆくなったら、すぐに専門外来に駆け込もう。