加熱すると効力がなくなるのでドレッシングに
藤田紘一郎・東京医科歯科大学名誉教授の著書「危ない油と健康になるオイル」によると、αリノレン酸にはほかにも次のような働きがある。
(1)「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌を促すため、不安感が解消されてヤル気が出る。脳が活性化して、うつ病の予防効果につながる。ハーバード大学の研究成果はこれだ。
(2)脳の神経伝達を担う受容体が、αリノレン酸で構成されているため、脳の情報伝達にはαリノレン酸が欠かせない。だから、αリノレン酸を積極的にとると、認知症予防になり、子どもの学習能力や記憶力アップにもなる。昔から「魚を食べる子は頭がよくなる」と言われたのはこのためだ。
さて、エゴマ油はどのように食べたらよいのだろうか。2015年2月24日放送のテレビ朝日系「林修の今でしょ!」で、エゴマ油の効果的な食べ方を特集していた。エゴマ油は熱に弱いので、加熱するとαリノレン酸が壊れてしまい効力が失われる。だから調理には向かず、ドレッシングとして料理に振りかける使い方がいい。「油ドクター」こと井上浩義・慶応義塾大教授のオススメは、「卵かけご飯」にエゴマ油を小さじ1杯かけるというもの。
「脳の神経細胞同士をつないでいる物質は、タンパク質の中のアミノ酸で作られています。αリノレン酸が脳の神経細胞を活性化させるのに加え、卵のタンパク質を与えてあげることで脳がもっと活発になるのです」
さらに、みそ汁にかけるのもいいそうだ。お椀に注ぐみそ汁程度の熱ではαリノレン酸は壊れない。みそ汁に含まれる大豆成分のレシチンは、脳の働きを高めるので、みそ汁とエゴマ油の組み合わせは脳に最高なのだ。
このほか番組では次のような食べ方も紹介していた。
(1)鶏の胸肉をゆでてエゴマ油をかけ、好きな味付けで食べる。
(2)ホウレンソウやキンピラゴボウをエゴマ油で和える。
(3)サラダにかける。ダイコンおろしに加える。