テレビ朝日「確認の取材を別途していなかった」ことを謝罪
論評をめぐる問題は、3月14日夜にテレビ朝日で放送された「報道ステーション」でも起きた。試合前の円陣で行う「声出し」をめぐる金銭授受の問題で、朝日新聞編集委員(当時)の西村欣也氏が、NPBが問題調査を司直の手に委ねようとしていないとして、その原因について
「読売グループの巨大な力を持っている方が圧力をかけているんじゃないかと感じる」
と述べたVTRが放送された。西村氏はスポーツ専門記者として知られる。
これに対して巨人は、15年10月の野球賭博問題発覚以降、巨人が警視庁に相談している事実は広く報じられているとして、西村氏の発言が
「公知の事実を歪曲しているだけでなく、何ら根拠のない発言」
などとテレビ朝日に抗議した。
これに対し、テレ朝は3月30日放送の同番組の中で、古舘伊知郎キャスターが
「このコメントがどのような取材に基づくものだったか把握しておらず、(テレビ朝日として)確認の取材を別途していなかった」「放送は控えるべきだった」
としたうえで、
「関係者及び視聴者の皆様にご迷惑をおかけした」
と謝罪した。
この事実は読売新聞が3月31日朝刊で「テレ朝 巨人軍報道で謝罪」の見出しで報じた。しかし、それ以外の大手メディアでは、共同通信が記事を配信し、それを同日夕刊で毎日新聞などが掲載した程度で、ほとんど報じられていない。