東日本大震災では人々が公衆電話に長蛇の列
女子中学生は、未成年者誘拐の疑いで逮捕された寺内樺風(かぶ)容疑者(23)の自宅を脱出し、近くにあったJR東中野駅の公衆電話で110番通報した。
これをうけ、埼玉県教育局の関根郁夫教育長も16年3月30日の会見で「災害時も公衆電話が使えることは重要。携帯電話を持っている子が多いので、改めて使い方を周知する必要がある」と語っている。
今から4年前、東日本大震災の際も公衆電話の有用性が注目された。揺れに見舞われた東京都内で、携帯電話や固定電話がほぼつながらない中、人々が公衆電話に長蛇の列を作ったのだ。
公衆電話は緊急時こそ「能力」を発揮する。110番や消防への119番は現金やテレホンカードを使わず無料で通話できるほか、災害時の通信規制下でも優先して電話をかけられる。回線を通して電力が供給されるため、停電の影響も受けにくい。
また、公衆電話ボックスを活用した公衆無線LANサービスも始まっている。Wi-Fiのアクセスポイントをボックス内に設置するもので、東京都千代田区が16年3月から始めた。
今回の事件を機に「不足」状況が周知されつつある公衆電話。「実は使える」という再評価の機運が高まっている。