免疫システムがマメすぎるくらい働き者だから
アレルギー体質の人にとってうれしい結果だが、なぜがん発症率が低くなるのか、詳しいメカニズムはほとんどわかっていない。
東京大学の調査でも、担当研究者は論文の中で「高齢者が(花粉症などの)アレルギー疾患を持っていると、免疫機能が活発になる傾向があり、それが特定の原因(がん)による死亡率を防ぐのかもしれない」と推測している。
専門医のサイトをみると、ざっくりしたメカニズムはこうなるようだ。1つの細胞ががん化すると、通常は免疫システムが働き、すぐさま異物であるがん細胞を見つけて破壊する。しかし、がん細胞が免疫システムの監視網をすり抜けたり、免疫システム自体が機能低下したりすると、がん細胞が増殖してかたまって悪性腫瘍になり、がんが発症する。
一方、アレルギー疾患は免疫システムが過敏に働き、花粉などの「異物」を過剰に攻撃することによって起こる。免疫システムがマメすぎるのだ。だから、がん細胞を小マメに見つけては攻撃してくれているわけである。
そう考えれば、花粉症の苦しみも少しはやわらぐかも。