「タトゥーへの拒否感があり、なかなか難しい」
ネット上で反発の声も出ていることについて、観光庁の観光産業課では、次のように説明する。
「日本人の価値観や国の伝統文化は、尊重されるべきだと考えています。入れ墨への独特なイメージや一定の対応を求められる場合があることは、観光情報サイトなどを通じて外国にも紹介しています。同様に、外国人にも様々な背景があることを理解して、文化摩擦を少なくしてほしいということです。今回は、トラブルで困っている施設が結構ありましたので、こういう方法があると一例を示しただけで、最終的には、個々の施設が決めることになります」
タトゥーのある日本人にも、外国人らと同様な対応をしてもよいという。
シールについては、星野リゾートが15年10月から一部施設で試験的に使用するなどいくつかの旅館などが導入しているが、日本人と外国人を区別していないとした。
一方、日本旅館協会では、タトゥーのある外国人の入浴について、「日本では、タトゥーへの拒否感がだいぶあり、なかなか難しい問題だと思います」と専務理事が明かした。
「シールですと、大きなタトゥーには対応できません。温泉は、いつでも入れることが楽しみになっていますので、時間帯を設けるのも難しいです。貸切風呂などはない施設も多く、大浴場に入りたい外国人の方もたくさんいます。現状では、タトゥーのある方が入浴する環境にはまだないと思います。外国人の方にとっても、温泉は楽しみの1つでしょうが、日本人がこうした環境に慣れてくるまで、難しいのかなと考えています」
ただ、観光庁の検討依頼を受けて、ホームページ上で、「会員施設においては、トラブルの起きない範囲でのご対応をお願いいたします」とは呼びかけている。