日銀審議委員に決まった桜井真氏とは何者なのか 「黒田独裁」を強める異例の人選

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もう一人のマイナス金利反対派の審議委員も任期満了

   だが、黒田総裁の「イエスマン」ばかりで決まることに危うさを指摘する声も多い。黒田総裁就任後の大規模緩和策開始から丸3年がたち、消費者物価指数の上昇率は2%の目標に及ばないゼロ近傍に低迷している。批判に耳を傾け、政策の効果と副作用を検証することが一段と重要な局面にもかかわらず、「黒田総裁の『独裁色』が強まっている」(市場関係者)のが実態だ。

   マスコミの報道も、「消えゆく緩和反対派 『追加緩和しやすい』見方も」(3月5日「日経」朝刊)と政府の狙いを指摘。「毎日」は社説で取り上げ、「9人の識者が、政治家を含め誰からの介入も受けることなく、独立して決断を下す。多様な経歴と考え方を持つプロが率直に意見を戦わせる。だからこそ、大きな判断ミスを回避しやすくなる。一枚岩の政策委員会は危ういということを、安倍政権も国会も認識すべきだ」(3月22日)と指摘。「朝日」も黒田総裁3年にあたっての社説(3月20日)で、異次元緩和に「これ以上、深入りするのをやめ、影響を最小にとどめつつ撤退する方策を練るべきだ」と疑問を提示、今回の人事には直接触れないものの、リフレ政策一辺倒に警鐘を鳴らしている。

   16年6月には銀行出身でやはりマイナス金利政策に反対した石田浩二審議委員も任期満了を迎える。石田氏はメガバンクの一角の三井住友銀行出身だが、後任に、メガバンク出身ではない外資系銀行幹部の名前も取りざたされる。ここでも再びリフレ派が登用されるようなら、「黒田独裁」への懸念はさらに強まることになる。

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