疲れたと思ったとき、いつもよりも睡眠をとるように心がけたり、栄養のバランスを考えて食事したりしても、なかなか疲れがとれないと自覚しはじめたのはいつ頃からでしょうか。正直よく覚えていないのですが、40歳を過ぎてから「体調不良を感じないから何も問題ない」と自信満々で受けた健康診断で次々にひっかかり、「あれ?」と思い始めたものです。
米国では、健康診断の基本は血液検査です。数値が悪ければ、医師が処方箋(せん)を出し、より精密に検査するために専門医の診察を受けるようにと紹介してくれます。私は貧血の持病等を抱えるために、毎回、通常より多くの採血があります。今年1月末に、半年に一度の定期健康診断の血液検査を受けました。結果は、ビタミンDの数値が相変わらず低く、先生に驚かれました。
ビタミンD不足でカルシウムの吸収率も悪化
主治医「疲れやすいでしょう」
私「そうですね。睡眠をとっても疲れがとれない感じです」
主治医「これだけ数値が低いとそうなるわね。ビタミンDの量を増やしましょうか」
ということで、なんと前回まで指定されていた量の倍のビタミンDサプリを摂取するように指示されました。
ビタミンDは丈夫な骨に欠かせない栄養素で水に溶けにくく、脂に溶けやすい性質があります。ビタミンDが足りないと「屋外で紫外線を浴びていないからだ」と言われ、実際友人にも「いつの時代の病気だ」と笑われますが、主治医いわく、最近はこうした女性が多いとのこと。女性の場合、特に年齢を重ねるにつれて、ビタミンD不足で体調不良を引き起こすこともあるそうです。ビタミンDはビタミンD2とビタミンD3に分けられますが、我々人間の体の中ではビタミンD3が大事な働きをしてくれます。
「VitaminD」「Women」をキーワードに検索すると、ビタミンDが足りないために起こり得る女性の体調についての記事が多くヒットします。例えば、米国の女性向け健康雑誌「Women's health」のサイトでは、眠気を感じたり、「気分が乗らない」「イライラする」と感じたりしたら、ビタミンD不足が原因かもしれないので主治医に血液検査をしてもらうよう勧めています。「勝手にサプリメントを先に飲まないように」との注意もあります。過剰摂取によって体調不良を引き起こす事例も報告されているためです。
私の主治医は、ビタミンDが不足するとカルシウムの吸収率も悪くなり、その結果、骨折もしやすくなると指摘しました。
「ただでさえ女性は年齢が上がるにつれて骨密度が低くなるから、カルシウム補給が必要なの。今のあなたの骨はこんな感じよ」
そう言って先生が見せてくれたのは、骨がすかすかになった模型でした。
血液検査を受けるのがお勧め
ビタミンDの含有量が圧倒的に多い食べ物は魚です。ただ、私のようにちょっとやそっとでは数値が戻らない場合は、一度サプリで数値を正常値に戻した後、数値を維持するためにビタミンDの豊富な食べ物をとるのが一般的です。
主治医には、「ビタミンDだけでなく、一緒にカルシウムも飲んで」と指示されたので、現在服用しています。カルシウムはビタミンDと一緒に摂取すると吸収率が上がるため、ふたつが一緒になったサプリメントがよく売られています。私が飲んでいるものは市販のサプリです。米国のサプリはサイズが大きくて飲むのにひと苦労。しかも私の場合、通常よりも多い量を飲むため、大きなサイズの種類しか選択肢がありません。大きさにうんざりしながら、頑張って毎日飲んでいます。そうはいっても結構つらいので、主治医が勧めてくれた「グミ」のように噛むタイプにしようとリサーチ中です
主治医に指導されたあと、すぐに飲み始めたビタミンDサプリ。摂取指示内容に従い、1日2回、3か月飲み続けています。体調がぐんとよくなり、突然わけもなく疲れを感じたりすることがなくなりました。「ビタミンDのサプリメントなんて」と正直軽く見ていたのですが、あまりの改善ぶりに自分でもびっくりです。
40歳すぎて、原因が分からない疲れを感じるようになった女性は一度、主治医に相談して血液検査を受けてみるとよいかもしれません。
●筆者プロフィル
北雨利香。南カリフォルニア在住。2児の母。40歳をこえた途端に、定期健康診断で毎回のようにひっかかり、医者にサプリを飲むよう指導される。興味のあることは美容、健康、子供の教育、米国プロスポーツ、米国大統領選挙、ハリウッドゴシップ。