日本よりダンスが盛んな欧米では、ダンスの健康効果を調べた研究が多いが、ウォーキングと比較した調査が米の医学誌「AJPM」(電子版)の2016年2月25日号に発表された。
オーストラリア・シドニー大学のチームが、英国の健康な40歳以上の男女4万8390人を対象に、ダンスとウォーキングが心血管疾患の死亡リスクを防ぐ効果を比較した。軍配はダンスの方にあがった。
ダンスをする人は健康的な生活習慣に気を使う
研究チームは、参加者全員に「最近4週間以内にダンスをしたか、あるいはウォーキングをしたか」を質問、それぞれの運動量の強さや行なう頻度などを尋ねた。そして聞き取り調査から約7年間追跡を行ない、心血管疾患(心筋梗塞や狭心症、大動脈瘤など)による死亡率を分析した。期間中に1714人が心血管疾患で死亡した。
その結果、特に何も運動をしない人に比べ、中程度の強さでダンスをしていた人は死亡リスクが46%も低かった。一方、中程度の強さでウォーキングをしていた人の死亡リスクは25%減だった。ダンスの方がウォーキングより健康的だといえるわけだ。
研究チームでは、「ダンス自体の運動効果のほかに、ダンスをする人は健康的な生活習慣に気を使う人が多いこともあげられます。何よりダンスは楽しみながら長く続けられることが大きいかもしれません」とコメントしている。