白鵬、最後の一番の「変化」に見る必死さ リスク背負っての「賜杯奪還」だった

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   大いに盛り上がった大相撲大阪場所は千秋楽の2016年3月27日、横綱白鵬が14勝1敗で36度目の優勝を飾った。

   ところが変化して勝った最後の一番を巡って様々な声が上がり、横綱の優勝のあり方が問われることになった。

  • 変化を選んだ白鵬の胸中は
    変化を選んだ白鵬の胸中は
  • 変化を選んだ白鵬の胸中は

勝負の瞬間に起きたブーイング

   異様な優勝インタビューだった。

「あれ(変化)で決まるとは思わなかった。申し訳ない」

   白鵬が涙をこぼしながら、謝ったのである。これは、横綱日馬富士を左に飛んで勝った相撲に、場内からヤジが浴びせられたからだった。

   NHKテレビの解説をしていた舞の海が勝負決着の瞬間、場内が騒ぐのと同時にこう叫んだ。

「ブーイングですよ」

   両横綱が正面からぶつかって勝負をつけてほしかった、というファンの声は当然としても、解説者が解説するより先に発する言葉ではないと思うのだが、どうだろうか。

   振り返ってみると、初日に白鵬は宝富士に負けた。

「衰えたかな、と思わざるをえない」

   そう指摘する専門家がいた。それが2日目から勝ち続け、11日目から稀勢の里、豪栄道を連破すると、その専門家の感想がこう変わった。

「まだ力の差は歴然。格が違う」
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