2016年に入ってから、有名人の不倫話が続々と報じられ、ワイドショーでは批判的に取り上げられたケースも少なくなかったが、こと乙武洋匡さん(39)に関しては、これまでとは違う意見が芸能界から相次いでいる。
医者でタレントの西川史子さん(44)は「普通の不倫と一緒にしてはいけない気がする」と主張した。
「障害を持っている人たちからしたら励みになる」
乙武さんは「週刊新潮」(2016年3月31日号)に5人の女性との不倫関係を報じられ、発売日の24日朝に公式サイトで妻・仁美さんとともに謝罪した。
この話題を取り上げた3月27日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)で、西川さんは「もちろん不倫は悪いし、(不倫相手と)旅行に行ったのは論外ですけど」と前置きした上で、こう語った。
「ただ、障害をもって結婚されて、今まで私たちの知らないような苦しみとか悩みがあって、それを乗り越えて一緒にいられると思うんですよ。だから普通の不倫と一緒にしてはいけない気がして。(中略)きっと2人の間には、人から分からないつながりがあるんだろうなって思います」
生まれつき「先天性四肢切断」の障害を抱えながら、精力的に社会活動を続けている乙武氏。2001年には早稲田大学の後輩だった仁美さんと結婚し、現在は3人の子供がいる。そんな夫婦の間に起きた「不倫問題」には特別な意味や背景があるのではないか、という考えのようだ。
不倫それ自体を手放しで擁護する声は見当たらないものの、障害との関係から、一連の不倫騒動と異なる見方を示す芸能人は少なくない。
同日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)では、ダウンタウンの松本人志さんも「不倫ということは置いておいて」と是非については触れず、「障害を持っている人たち、特に男性からしたら励みになるニュースではあると思う」と主張。その意味で乙武さんについては「そんなに悪くいってほしくないなと思う」と述べた。
自慰行為ができないことと不倫の関係
自慰行為についての言及も目立つ。
社会学者の古市憲寿さん(31)は25日にツイッターを更新し、不倫については「庇う気はありません」と断言。一方、乙武さんは性欲を1人で処理することができない点を指摘し、
「『不倫相手』がしていたことは、愛情表現としての実質上の介護に近いものだったろうし、奥さんは3人の子育て中だった。 確かに『不倫』には違いないんだけど、当事者しか知らない、何か別の名前で呼んだほうがいい関係がそこにあったんじゃないのか...?そんな風に想像してしまいます」
と、単純に「不倫」の2文字で片づけられない状況であった可能性を示唆した。
24日放送の「みんなのニュース」(フジテレビ系)でも、漫画家のやくみつるさん(57)が「これまでの一連のほかの芸能人の『ゲス不倫騒動』と差別することがあると、逆差別になっちゃう」と断りつつ、「だけど健常者の方と障害を持った方とでは、厳然としてできること、できないことに違いはありますよね?」と述べ、他の不倫と同一線上で扱うことを躊躇した。
ただ、自慰行為ができないからといって不倫をしていいことにはならない。乙武さんと飲み友達でもあるという産婦人科医の宋美玄さん(40)は26日のブログで、
「射精に関して乙武さんは健常人に比べて不便ではあるけれど、それはプロの店を利用すればすむことで、特定の女性とつきあってたことの言い訳としては関係ないと思います」
と指摘。今回のスキャンダルと乙武さんが障害者であることは「全く関係ないことだと思っています」とつづった。