映画「リリーのすべて」の葛藤は? 性同一性障害「女性」の心の闇を調査

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   世界で初めて「女性」への性適合手術を受けた画家とその妻との夫婦愛と葛藤を描いた映画「リリーのすべて」(原題: The Danish Girl)が世界的に大ヒットしている。

   生まれついた体と心の性が一致しない性同一性障害の人が直面する心の健康状態を調べた研究が米医師会誌「JAMA小児科学」(電子版)の2016年3月21日号に発表された。うつ症状が約15%、自殺リスクが約20%など深刻な悩みを抱えていることがわかった。

30日以内に自殺するリスクのある人が20%!

   米ハーバード大、ブラウン大、ボストン小児病院など10余の医療関係機関が合同で調査した。体は男性だが、自分は「女性」だと認識している16~29歳の性同一性障害の298人を対象に個別に問診が行なわれた。その結果、心に深い傷を負い、かなり危険な状態の人が多いことが明らかになった。

   うつ症状にある人が14.7%、30日以内に自殺するリスクが中~高程度ある人が20.2%、アルコール依存症が11.2%、全般性不安障害が7.9%、心的外傷ストレス症候群が9.8%、アルコール以外の薬物依存症が15.2%などだ。そして298人中40.2%が、これらの症状を1つ以上持っていた。

   研究チームでは「性同一性障害の若い人の精神的健康状態は、非常に危険でぜい弱だ。思春期前の早い段階から積極的にサポートする必要がある」とコメントしている。

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