北海道新幹線「一番列車」に乗りたい 指定券握りしめ「あの駅」に向かった

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車両、乗客、車輪と興味のままにカメラを向ける

   1分ほどで発車。東京駅までの30分間の旅がスタートした。周囲を見ると、乗客の多くが「開業記念」の小旗をひらめかせている。車体とともに、プロ野球・北海道日本ハムファイターズのエース、大谷翔平選手をあしらった旗だ。どうやら各座席前の物入れに差されていたようだが、先客に持ち帰られた後なのか、見当たらなかった。ちなみに窓際の人は、なぜか旗を2枚持っていた。「うらやましい」――心の中でつぶやいた。

   荒川を越え、見慣れた風景が車窓に流れる。10時58分、上野に到着した。「津軽海峡・冬景色」で歌われるように、かつては北行きの玄関口だった上野だが、いまや途中駅になってしまった。大宮に比べると、出迎え客もまばらだった。そして11時5分、東京駅へ。ホームは人であふれ、乗客からは「きょう一番(の出迎え人数)」との声も出た。車両全体、乗客、車輪......出迎え客は、おのおの興味のままにカメラを向ける。

   ホームに降り立つと、新幹線の「顔」を押さえようと、撮影客が先頭車両に集まる。北海道からの乗客を探す取材クルーを横目に、乗り換え改札を抜けると、いつもと変わらない「週末の東京駅」があった。スーツケースを転がす人々は、これから北海道へ行くのだろうか。それとも関西や九州、北陸へ向かうのか。

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