ロキソニンの副作用に「重大な」関心 一般用と医療用、その違いと共通点とは

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   鎮痛剤などとして広く出回っているロキソニンについて、厚労省が大腸閉塞などの「重大な副作用」が出る恐れがあると注意喚起し、ネット上で話題になっている。今回は、一般用ではなく医療用で症例が出たが、どのくらい危険があるものなのか。

   厚労省が2016年3月22日に注意喚起したことは、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページで紹介された。

  • 一般用では、重大な副作用は出ていないという
    一般用では、重大な副作用は出ていないという
  • 一般用では、重大な副作用は出ていないという

重大な副作用に「小腸・大腸の狭窄・閉塞」

   それによると、医療用でロキソニンを服用した患者から、小腸や大腸が潰瘍して、狭窄・閉塞が表れた副作用の症例がここ3年間で6例の報告があった。ロキソニンは、関節リウマチや抜歯、気管支炎などの治療で使われている。PMDAが専門委員の意見を聞きながら調査したところ、死亡例はなかったものの、うち因果関係が否定できないのが5例あることも分かった。

   このことを受けて、厚労省では、「使用上の注意」について改訂が適切だと判断し、重大な副作用の項目に「小腸・大腸の狭窄・閉塞」を追記するよう製薬会社に指示した。そこでは、「悪心・嘔吐、腹痛、腹部膨満等の症状が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと」と書かれている。追記は、一般用のロキソニンでも行われることになった。

   厚労省の追記指示が23日に一部で報じられると、ネット上では、不安の声が広がった。

「えええー!? オレ、頭痛持ちだから結構使っているよ」「おい、最近捻挫して使い始めたばっかだぞ」「腹の調子悪いのはこのせいか?しばらく使わない方がいいかな」...

   今回見つかった6例は、いずれも医師の処方箋に基づいて医療用として服用した結果だった。ドラッグストアなどで販売されている一般用のロキソニンにも、同じような危険があるということはないのか。

市販薬でも、使い方を間違えれば危険が

   「ロキソニンS」を販売している第一三共ヘルスケアでは、取材に対し、次のように説明する。

「こちらの商品では、今回の副作用の症例は、1件も出ていません。医療用のとは、そもそも使い方が違います。医療用では、慢性リウマチなどの治療で長期に渡って使うケースになりますが、一般用のは、頭痛や生理痛などになったら1錠飲むという使い方になるからです」

   ほかの症例では、副作用がまったくないわけではなく、胃の調子が悪くなるといった症状は出るとした。重大な副作用が出たケースは、今までにないという。

   もっとも、一般用のロキソニンも、ロキソプロフェンという薬の成分を含んでいることには、医療用と変わりはない。

   厚労省の安全対策課でも、「長期にわたって服用し続けるなど、一般用でも使い方によっては、重大な副作用が出ることはありえます」と取材に認めた。今回の症例では、どのくらいの頻度で服用すると副作用が出たのかなどについては、「患者の個人情報に関わりますので、詳細な経過については公開していません」と答えた。

   なお、医療用のロキソニンについては、厚労省が2000年、3年間で8例の症例が出たとして、肝機能障害を重大な副作用に追記するよう指示を出している。このときは、うち2例で患者が死亡していた。

   一般用については、厚労省の部会で14年、注意事項を説明する薬剤師がいなくても販売できる第2類に分類することが提案されたが、妊婦が服用すれば胎児が死亡する懸念があるとして第1類に据え置かれている。

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