「中高年ひきこもりへの暴力」
あまりにもインパクトの強い映像だったためか、放送中からツイッターで
「本当に無神経で酷い」
「やばいなぁ。引きこもり、こんな風に引きずり出しちゃ」
と批判の声が巻き起こった。とりわけ強い抗議の声を上げたのが、精神科医の斎藤環さんだ。引きこもりに関する著書も多く、02年に出版した『「引きこもり」救出マニュアル』(PHP研究所)はベストセラーとなった。
斎藤さんは16年3月21日のツイッターで、
「興味本位で中高年ひきこもりへの暴力を放映している」
と同番組の問題点を指摘。引きこもり自立支援施設「アイ・メンタルスクール」(名古屋市、すでに閉鎖)に入寮した男性らを暴行、監禁、死亡させたとして、運営元のNPO法人代表理事だった女性が逮捕、起訴された06年の事件にも触れ、注意を促した。16年3月22日には、BPO(放送倫理・番組向上委員会)に審査要請を出したとツイッターで報告している。
さらに、23日にはフェイスブック上で
「あのような暴力を『親を苦しめているんだから当然』とか『生徒が社会復帰したんだからOK』と言うのなら、体罰もしごきもDVも虐待も『結果オーライ』 になってしまいます。ひきこもり当事者にも人権があることをお忘れですか? 伊藤学校があの手法をとることをやめない限り、私は批判をやめるつもりはありません」
とするメッセージを公開した。