【震災5年 絆はどこに(3)岩手県釜石市】
ラグビーで「逆境から立ち上がる姿」見せる 釜石シーウェイブスは地域と共に

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W杯開催で世界の目が釜石に

   シーウェイブスは2015年度シーズン、トップリーグ昇格まであと一息の成績を残した。釜石は、2019年のラグビーW杯日本大会で試合会場のひとつに選ばれた。

   桜庭さんは、「震災から8年になる2019年には、多くの支援を寄せてくれた世界中の人々に、釜石がここまで復興したというのを見せたい」と話す。一方、今も多くの住民が仮設住宅で不自由な生活を強いられている現状を指摘し、「釜石の人々に『(W杯を)やってよかった』と実感してもらうために、何が何でも成功させなければなりません」と強調した。釜石市民がW杯に向けてひとつになり、世界中から訪れた人々に喜んでもらうことで市民自身にも達成感を味わってもらい、その気持ちや経験を次は街の発展に生かせたらと考える。

   伊藤選手も、W杯の開催は「ラグビー界の一員としてうれしい」と喜ぶ半面、津波で被災した沿岸部は今も復旧工事が続く現状や、阪神大震災では5年でゼロになった仮設住宅が、東日本大震災から5年が過ぎた釜石ではあちこちに残っている様子に心を痛める。それでも、世界規模のイベントであるラグビーW杯が釜石に来ることにより、日本、世界から釜石に注目が集まる。それで復興がスピーディーに進んでくれたらと願う。

   釜石に来てから新たな出会いもあったと伊藤選手。ラグビーを通じて、人とのつながりを感じる機会も少なくない。スタンドで大漁旗を振る地元の人やサポーターの声援を糧に、街の復興を祈りながら熱いプレーを届ける。

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