任天堂が人気テレビゲーム機「Wii U」の生産を終了する、との報道がネット上を騒がせている。
騒ぎを引き起こしたのは、「終了する」という報道そのものでなく、報道の「揺れ」。ある媒体で「終了する」と報じられた後、ある媒体で「終了しない」と報じられ、他の媒体では「終了する」と報じられる。そんな調子で、何が本当か分からない状況となり、ネットでは「いったい、どっちやねん」と混乱が一日中続いた。
日経報道が発端で...
初報を出したのは2016年3月23日付けの日本経済新聞朝刊だ。「Wii U」の生産を年内にも終了し、今年中に新型ゲーム機を発表する。理由は人気ソフトが少なく、前機種の「Wii」に比べて販売が振るわなかったため。そう報じた。
「Wii U」は2012年12月に発売された。任天堂公式サイトの「ハード・ソフト販売実績」によると、15年末までに全世界で累計1260万台を販売し、「Splatoon(スプラトゥーン)」「スーパーマリオメーカー」といったヒット作にも恵まれた。一方、06年12月に発売された前機種「Wii」は「ハード・ソフト販売実績」によると、15年末までに1億163万台販売している。双方を比較すると、日経が報じた「終了理由」にうなずけるところもある。
しかし、ここから日経の報道を否定する報道が飛び出す。ニュースサイト「ねとらぼ」が同日、任天堂広報に取材した結果「当社からの発表ではない」「来期以降も生産は継続して行う予定」と回答された、と報じたのだ。その後、様々なニュースサイトが「『生産終了』の報道は事実でない」といった同社の回答を記事で紹介。ツイッターでは「デマは良くない」「新聞の報道もアテにならぬ」と日経報道を疑う声が寄せられ始めていた。