2016年3月22日に起き、少なくとも34人が死亡したベルギーの連続爆破事件は、イスラム過激派がテロの犯行声明を出した。また、岸田文雄外相は23日朝、日本人1人が重傷、1人が軽傷を負ったことを明らかにした。重傷なのは30代男性で、軽傷を負っている人については「邦人男性」とのみ述べ、「それ以上の情報は、ご家族との関係もあり控えさせていただく」とした。
男性の生命に別条があるかどうかについても「1名重傷、1名軽傷と聞いております」と述べるにとどめ、明らかにしなかった。ベルギーの在留邦人数は14年10月時点で5402人。
「イスラム国」系メディアが犯行声明
今回のテロ事件では、首都ブリュッセル郊外のザベンテムの国際空港で複数回爆発があったのに続いて、ブリュッセル中心部の地下鉄のマールビーク駅でも爆発が発生。ベルギー政府はテロの脅威度を最高レベルの4に引き上げた。
テロは自爆テロだとみられ、過激派組織「イスラム国」(IS)系のメディアが事実上の犯行声明を出し、犯行の理由について、ベルギーが「対ISの有志連合に参加した」などと説明している。ベルギーの日本大使館では、「当面の間、空港周辺、地下鉄の駅には近づかないようにしてください」と呼びかけている。
一方、東京都千代田区二番町のベルギー大使館には23日朝、ベルギー国旗と欧州旗の半旗が掲げられ、職員が慌ただしく出入りしていた。