たばこのポイ捨てを注意されたことに腹を立て、男児(6)の首を絞めたとして、兵庫県加古川市に住む無職の男(75)が逮捕された。
ネット上では「最低な大人だな」「大人の行動とは思えぬ」と男への批判が相次いでいるが、本件に限らず「キレる老人」の姿は今やメディアで頻繁に取り上げられ、社会問題となっている。
バス停で「降りにくい位置に停車した」として運転手攻撃
兵庫県警加古川署は2016年3月22日、男児の首を絞めた暴行容疑で男を逮捕した。同署の調べに、「注意されて腹が立った」と容疑を認めているという。
複数メディアの報道などによると、男は同日14時頃、自宅付近の公園でたばこの吸い殻を路上にポイ捨て。その様子を目撃していた小学1~4年生の男女4人に「捨てたらアカンのに」などと注意され、逆上した。大声で怒鳴り返し、6歳男児の首をいきなり両手で絞めると、他3人に対しても服を引っぱったり、腕をつかんだりした。
児童らは男が自宅に入るのを見届けた後、帰宅して保護者に顛末を報告。保護者が同署に110番通報した。
69歳年下の相手の注意を受け入れられず「逆ギレ」――そんな情けない75歳の姿にツイッター上では、
「最低な大人だな」
「大人の行動とは思えぬ」
「75年も生きて来て何を学んできたのだ」
と厳しい声が寄せられている。「キレる老人」は、今回の男以外にも数多く報告されている。
例えば、16年3月4日には、市バスの男性運転手(32)に小枝を投げつけて右目にけがをさせたとして、京都市中京区の男(65)が公務執行妨害容疑で逮捕されている。男は同日13時ごろ、中京区のバス停「堀川三条」で降車。その際、停車位置が歩道の縁石に近く、降車しにくかったと腹を立て、街路樹の枝を折って運転手に投げつけたという。
「ガキも生意気な言い方したんだろう」という声も
また16年1月27日には、他人にわざと車でぶつかって重傷を負わせたとして、山梨県忍野村に住むパートの男(63)が傷害容疑で逮捕されている。男は同日15時すぎ、灯油を購入するため同県富士吉田市の給油所に来店。後から訪れた男性(66)が男に気づかず先に給油しようとすると、軽乗用車に乗り込んで給油中の男性にぶつけ、両足骨折の重傷を負わせた。
「物理攻撃」のみならず、暴言事例も多い。15年10月15日、東京都世田谷区の自称・無職男(78)が同区の路上で、行きつけの喫茶店で働く20代女性に結婚を申し込む手紙を渡した。しかし、読まずに返されたため激高、その場で「ぶっ殺してやる」と女性を脅した。男は脅迫容疑で警視庁に逮捕されている。
「キレる老人」が多いことは、統計でも裏付けられている。 JR3社や日本民営鉄道協会は15年7月6日、全国29の鉄道事業者で1年間に発生した暴力行為をまとめた「鉄道係員に対する暴力行為の件数・発生状況について」(2014年度)を発表した。それによると、加害者の年齢で最も多かったのは60代以上(21.9%)で、5年連続して最多だ。
そして、『週刊東洋経済』(3月19日号)は、「人に注意されたり、何かを教えられたりするのを嫌がる人が多い」「高齢者のめちゃくちゃな要求なんて日常茶飯事」いうある鉄道会社社員の証言を紹介している。
なお、今回の75歳男に首を絞められた6歳男児について
「ガキも生意気な言い方したんだろう」
と批判する声もネット上で一部みられた。