スポニチが果敢に「食レポ」挑戦
そんな中、スポーツニッポン(スポニチ)は弁当の中身を詳しく紹介するだけでなく、「食レポ」までやってのけた。21日付けスポニチ電子版記事「肉汁広がり10分完食 清原被告差し入れ焼き肉弁当食べた」によると、弁当の中身は、白米の上に並んだ焼き肉6切れと付け合わせのナムル、キムチ。タレで味付けされた肉は脂っこくないものの柔らかく、口に入れると肉汁が広がったという。
食べた記者いわく「高級な肉を使っていると感じた」。ごま油の効いたほうれん草とモヤシのナムル、キムチが口直しとしての役割を果たし、約10分で完食したようだ。この「食レポ」は16年3月21日付けのスポニチ本紙の一面も飾っている。
21日放送の情報番組「モーニングショー」(テレビ朝日系)によると、同番組が焼肉弁当の処理をマスコミ各社に尋ねたところ「とりあえず会社に持ち帰る」「上司に相談する」との回答が多かった。スポニチ以外で「食レポ」に挑んだマスコミは確認できないが、こっそり食べた記者が他にいたのかもしれない。
差し入れの弁当を清原被告ならではのハプニングとして、貪欲に「記事ネタ」としていくスポニチの姿勢には賛否両論分かれており、ネット上で
「弁当ぐらい食えばいいじゃん」
「食べ物を無駄にせず記事にする記者魂」
といった高評価もある反面
「倫理観があるとは思えない」
「買収されてら」
との批判も少なくない。
ちなみに、報道陣に差し入れを配った有名人は過去にもいる。15年9月26日には、2日前に妻・川島なお美さんを亡くしたパティシエの鎧塚俊彦さんが自宅前に張り込む報道陣に関係者を通じて食事を差し入れた。俳優のペ・ヨンジュンさんも11年9月5日に帰国する直前、羽田空港で報道陣にアイスティーを振る舞っている。また、小渕恵三外相(当時)は1998年7月18日、米ニューヨーク・タイムズ紙に「冷めたピザのように生気に欠ける」と評されたことをうけ、自宅前で張り込む報道陣に宅配ピザを差し入れた。しかし、いずれも刑事被告人ではない。