せっかく病気の遺伝子検査したのに... 危険を知っても生活を変えない人多すぎ

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   将来どんな病気になる危険性があるかがわかる遺伝子検査ビジネスが盛んだが、実際には検査を受けた人の生活改善にほとんどつながっていないという研究結果がまとまった。

   英ケンブリッジ大学のチームが英医師会誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」の2016年3月15日号に発表した。

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結果の通知だけでなく改善法のアドバイス必要

   遺伝子検査は、利用者から送られた唾液や口の中の粘膜などの遺伝子を分析、特定の病気のリスクや太りやすさなどの体質を調べるもの。「健康維持や病気予防の意識が高まる」として、個人向けの情報提供ビジネスが2000年代半ばから世界的に広がった。日本でも1000社近くが乱立しているため、業界団体が「認定制度」設立の準備を進めているほどだ。

   研究チームは、1990年代から2015年までに欧米や日本で発表された遺伝子検査に関する1万超の研究報告を分析。遺伝子検査でがんや肥満、心臓病、糖尿病などのリスクが高いと判定された人たちが、判定後に生活習慣をどう変えたかを、もともと検査をしていない人たちの生活習慣と比較した。

   ただし、検査で高いリスクがわかっても生活改善では対処できない特定の遺伝性疾患は比較から除外した。

   その結果、病気予防のために運動や食事の改善を始めたり、禁煙したりする人の割合は、両者の間で差はなかった。研究チームでは「遺伝子検査は生活習慣の改善には影響していませんでした。検査結果の通知だけでなく、どのように生活を変えればよいか、具体的なアドバイスをするべきです」と提唱している。

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