軽自動車税の増税が転機
スズキといえば、主力は軽自動車だ。それが、なぜ小型車の逆輸入に踏み切ったのか。
国内では2015年4月から軽自動車税が増税されて軽市場は販売不振が続いており、今後も成長は期待できない。そこで小型車市場でのシェア拡大を狙い、販売強化に向けてバレーノの逆輸入に踏み切ったわけだ。15年に7万6000台だった小型車販売を10万台以上に引き上げる目標を掲げており、バレーノで弾みをつける考えだ。
厳しい国際競争にさらされる自動車メーカーだが、スズキは「日本で作るよりもコスト的に安いメリットがある。このバレーノは一番量が出るのがインドだからインドで作る」(鈴木会長)というように、スズキは車種ごとに出荷量の多い工場に生産を集中させるなど世界の生産拠点の再編を進めている。それだけに、逆輸入の成否は今後のスズキの世界戦略に大きな影響を与える。