設計担当・勝矢氏「人生最大の勝負に勝ちました」
コンペ中の15年12月15日、日刊スポーツは「新国立白紙の日建設計 バルセロナ本拠地でリベンジ」と題して報道した。設計担当・勝矢武之氏は「江戸の敵はスペインで討つ」「これぐらい大きな仕事じゃないと新国立の気持ちは切り替えられなかっただろう」と述べ、設計部長・小松康之氏も「新国立で出そうとしていた知識や技術をフル活用できている」と、ノウハウを生かせたことを認めている。
企業サイトで公開した新カンプノウのイメージ図は、外側を壁で覆わず、3層のフロアごとにコンコースでぐるりと囲むデザイン。新国立の「SANAA+日建設計」案では「これまでにない開かれた競技場のイメージ」という審査講評が出たが、それに通じるものを思わせる。
同社は新カンプノウのテーマの一つに「豊かなパブリック・スペースの創出」を掲げており、クラブ側は「開放的でエレガント」「あらゆる局面で自由なスペースになることを想定している」とコメント。町や市民に溶け込むような空間が評価されたのかもしれない。
コンペを勝ち取った16年3月8日、勝矢氏はツイッターで「人生最大の勝負に勝ちました」と喜びを表した。3月14日付の日経アーキテクチュアの記事は「海外の著名な競技場で東京五輪の『雪辱』を果たすことになりそうだ」と期待を示した。
ただ、日建設計広報室は3月16日、J-CASTニュースの取材に対して「新国立と新カンプノウとの関係性については、弊社としては現段階ではコメントを差し控えさせていただきます」とし、勝矢氏の発言などは「個人的な感想」と捉えている。
FCバルセロナは建設計画を発表する「お披露目イベント」を現地で開催する予定(時期未定)だが、日建設計は「それまで計画の詳細は明かせない」とコメントした。