日本人の13歳から19歳の女の子に「外国人に生まれたかった?」と聞いたところ、約60%が「はい」と答えたというアンケート結果が出たとしてネットが騒然となっている。
これは日本の社会や教育の歪み、日本をおとしめるような報道やテレビ番組が原因だとして「日本に生まれたことの幸運を知らないのか?」「10代にとって日本は絶望の国」などといった意見がネット上に出るありさまになっている。
「日本に生まれたことの幸運を知らないんだな」
大手人材広告企業の「マイナビ」が2016年3月16日に公表した「日本の善し悪しを日本人であるティーンに聞いた」というアンケート調査によれば、「外国人に生まれたかった?」という質問に対し「はい」が59.4%に達し、「いいえ」は40.6%だった。また、「日本人は外国と比べて劣っていると思う?」では、「はい」が40.5%、「いいえ」が59.5%だった。マイナビティーンズ編集部が16年1月に調べたもので、回答数は912人だった。
この結果についてネット上では、「日本は10代にとって誇りのない国」、ととらえる人が多くいて、
「あーあ これが教育の成果ですよ」
「外国人に生まれたいというか今の日本に絶望してんじゃないかと」
「日本に生まれたことの幸運を知らないんだな。まあ10代なんてそんなもんか」
などといった意見が出て騒然となった。
10代の女の子が外国の何に憧れているかといえば、「目鼻立ちの良さ」「手足の長さ」などの容姿がほとんどで、「オープンな性格」「英語が話せるとこ」という回答もあった。日本人でよかったと思った人は「治安がいい」「平和」「マナーを守って、礼儀正しい」「思いやりがある」「清潔」「アニメ、マンガがたくさんある」などだった。
こうしたアンケート調査を取った経緯は何なのか、マイナビティーンズ編集部に話を聞いてみた。
ハーフタレントの人気を象徴?
編集部によれば、今回のアンケートのきっかけになったのは、若い女性の間でハーフのモデルやタレントが大人気だと知ったこと。それを確かめたかったのだという。ただし、アンケートの狙いは伝えずに単純に「外国人に生まれたかった?」とだけ質問した。「外国人」と言うのは日本人以外の全般を指している。
「このアンケートの結果を見ると、外国人に生まれたかったと答えた人のほとんどは、外国人の容姿への憧れです。日本人でよかったと回答した人は、治安や環境といった社会的なもの、ということになりました」
と編集部は説明した。外国人に生まれたかった10代は日本に絶望していたり、外国が好きで移住したいと思ったりしているわけでは必ずしもないようなのだ。
日本はいい意味で世界中から注目され、訪日外国人客は年々大幅に増えている。日本政府観光局(JNTO)が16年3月16日に発表した16年2月の数字は、前年同月比36.4%増の189万1400人となり2月として過去最高を記録したほか、15年7月の191万8356人に次ぎ単月でも過去2番目の数値となった。日本食など文化的なものも海外で大人気だ。日本の女の子に別の形で、「日本は好きか?」「外国籍を取りたいか?」とアンケートを取れば、今回とは全く違った結果になるのだろうか。