「円満に解決した方がよかったと言いたかった」
労基法上は、使用者の指揮下にいる拘束時間については、労働者に賃金が支払われることになっている。もしトイレに行く時間分だけ減給されれば、法律に抵触することになる。
榊さんの発言について、ネット上では、「トイレに行ってようが命令下なら賃金支払いの義務がある」「労務士が公の場でいうことでは無い」といった疑問が相次いだ。
また、仕事上のアドバイスや教育について、労働時間外にすることを前提にしているとも記事は受け取れるとして、「なんで労働者が無償でやらなきゃならないのか」「完全にブラックだと思う」などの批判も出ている。
こうした意見を受けて、コラム記事は、「一部誤解を与える表現があった」として、公開した日のうちに本文が訂正された。前出の表現はすべて削られ、事実上、全面的に書き替えられている。
榊さんは、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
「トイレに行けば減給すべきと言いたかったわけではなく、1分単位の賃金を押し付けるようなやり方をすれば、トイレでのおしゃべりやスマホいじりも黙認されなくなりますよということです。また、アドバイスなどは労働時間外でとは言っておらず、先輩との雑談や化粧直しの後にタイムカードを切ることもままならなくなるという意味で言いました。労働協約には、対立し合っている印象がありましたので、話し合いで円満に解決した方がよかったと言いたかったのですが、書き方が至らなかったので訂正しました」
書き替えたコラム記事では、今回の労働協約に違和感があるとの主張は変えておらず、それでも1分単位の賃金にする場合について、「就業規則にも、『勤務時間終了後は、直ちに制服から私服に着替え、着替えを5分以内に完了させること。化粧直しなどはタイムカード打刻後に行うようにすること。』などと定めておくべきであろう」などと書いている。
榊さんは、書き替え記事について、「法律論から組み立てて、客観的になるよう再構成しました」と言っている。