「変な事に使われる予感しかしない」――。近所の人と直接会って商品やサービスを売買するアプリ「メルカリ アッテ」に、こんな手厳しい意見が相次いで寄せられている。
運営会社は不適切な内容の投稿を削除したり、ユーザーへの警告を随時行っているというが、記者がアプリを確認したところ、「セフレ募集」「1泊させてください」といった投稿が見つかった。
住所やクレジットカード情報を登録する必要はない
メルカリの子会社「ソウゾウ」が2016年3月17日に公開した「アッテ」とは、スマートフォンのGPS機能で位置情報を取得し、近くにいるユーザーと「会って」商品を売り買いするアプリだ。商品のやり取りは原則手渡しで行うため、利用時に住所やクレジットカード情報を登録する必要はない。
ユーザー同士が直接顔を合わせることを前提としているため、モノの売買だけでなくサービスの取引も可能だ。ちょっとした頼み事を有料で他人に依頼したり、逆に「××を○○円でやります」と自らのスキルや時間を売りに出すこともできる。
実際のところ、どんなサービスが「出品」されているのだろうか。記者がアプリをダウンロードして確認したところ、
「Web業界の就活相談のります」(500円)
「30分程度でお風呂の掃除お願いします!」(1000円)
「渋谷で欲しいものを代わりに買ってきます!!」(3000円)
といった投稿が見つかった。サービス以外にも、服や家具といったモノの出品も盛んに行われており、実際に取引が成立しているケースも確認できた。サービス開始からまだ1日しか経っていないが、このようにアプリ内では多くのユーザーで賑わっている印象だ。
――だが、ネット上では「犯罪につながるのでは」と危惧する向きが強い。直接会って取引するというアプリの性質上、「新手の出会い系になる予感」「援助交際の温床になる」といった指摘が、ツイッターやネット掲示板で相次いで上がっているのだ。
全てのユーザーが投稿者の位置情報を閲覧できる
メルカリは以前にも、着用済みの「学校制服」や「体操服」などがフリマアプリに多数出品されていることから、「ブルセラ化」しているとネット上で話題を集めたばかり。そのため、ネットユーザーの一部からは「ブルセラ販売の次は援助交際か」と皮肉る声も上がっている。
もっとも、アッテの利用規約を見ると、「面識のない異性との出会い等を目的とする行為」「性行為・わいせつな行為等を目的とする行為」を禁止事項とすることが明記されている。だが、実際にアプリ内を覗いてみると、
「セフレ募集」
「アロママッサージ 練習相手」
「1泊させてください」
といった「出会い目的」のような投稿が複数見つかる。
さらに、「実際に会うこと」をコンセプトとするアッテでは、全てのユーザーが投稿者の位置情報を閲覧できる。アプリ内で氏名や顔写真を公開しているユーザーも多いため、何らかの犯罪に悪用される可能性も捨てきれない。
こうした問題点について、J-CASTニュースが18日、メルカリの広報担当者に取材すると、
「トラブルに繋がりかねない投稿に関しては、事前に監視を行い、随時投稿の削除やユーザーへの警告を行っております」
と説明した。確かに、上に引用したような不適切な投稿は、時間を置いたあとで再び確認したところ、しっかりと削除されてはいた。
投稿内容の監視やユーザーからの問い合わせについては、約150人が365日24時間体制でサポートを行う、アプリ「メルカリ」のカスタマーサポートチームと連動して対応しているといい、メルカリは「お客様に安心してお使いいただけるサービス」を強調している。