はやりの「水素水」の効果って何? 国民生活センターが消費者に注意喚起

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   「水素水」をうたう商品が、ここ数年で増えている。そんな中で、国民生活センターが水素水生成器について消費者に注意を呼びかけて、ネット上で話題になっている。

   水素水については、大手の食品会社や家電メーカーもその名をうたった商品を出している。ネット上でも、タレントが水素水のことをブログやツイッターで取り上げることも多くなってきた。

  • 電気分解装置が付いた2業者の水素水生成器
    電気分解装置が付いた2業者の水素水生成器
  • 電気分解装置が付いた2業者の水素水生成器
    電気分解装置が付いた2業者の水素水生成器
  • 電気分解装置が付いた2業者の水素水生成器
  • 電気分解装置が付いた2業者の水素水生成器

「活性酸素の抑制機能」

   今回、国民生活センターが2016年3月10日付で注意喚起したのは、2業者が訪問販売などしている水素水生成器についてだ。

   これは、水道水を電気分解して水素を発生させる装置のことだ。販売に当たって飲用や料理用とした水素水について、自社テストの結果、活性酸素の1つヒドロキシラジカルを90%以上抑制できたなどと説明されていた。

   活性酸素とは、体内で発生すれば、生体防御などの機能もある一方で、老化のほか動脈硬化、心筋梗塞、ガンなどの原因に関わっているとも言われている。

   生成器の販売では、「人体への効果を示すものではない」との但し書きは付けられていた。しかし、全国各地の消費生活センターには、15年までの5年間で220件もの相談が寄せられており、うち「ガンが治る」と言われたなど販売方法についての苦情が157件も占めていた。つまり、説明書には書いていなくても、口頭でその効果について説明していたケースがあるわけだ。効果がないなどで契約の見直しや解約についての相談も130件あった。

   今回の2業者は、生成器を1台13~22万円で販売しており、計4万台近くが購入され、総額80億円強を売り上げていた。

炭酸飲料と同じで、水素は微量しか水に溶けない

   国民生活センターでは、相談件数の増加を重く見て、生成器についてテストを行った。その結果、ヒドロキシラジカルの抑制機能はかなり限られたものであることが分かった、としている。

   国民生活センターの商品テスト部によると、水素水は、炭酸飲料と同じイメージで、水素は、二酸化炭素と同様に、微量が水に溶けるだけだという。

   人体には、ヒドロキシラジカルなどの活性酸素がどれだけあるのか分からず、人によっても違う。仮に水素水が体内に吸収されたとしても、どれだけ抑制機能を働かせられるのかは分からないことになる。水素は、炭酸飲料のように、水を振ったり温かくなったりすれば、気化しやすくなってしまうといい、飲んでも体内に吸収されない可能性もありそうだ。

   国民生活センターでは、まだ業務停止命令を出せるほどの証拠は集まっていないとしながらも、「見せかけの数値に惑わされないようにしてほしい」と呼びかけている。

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