リーダーになりたければ筋トレをしろ 胸板が厚く上腕筋が太いほど高い地位に

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   リーダーになりたければシュワちゃんのように筋トレをして、筋骨隆々のオトコになりなさい、といういかにも米国的な研究が発表された。米カリフォルニア大学バークレー校のキャメロン・アンダーソン教授らのチームがまとめ、米心理学誌「JPSP」の2015年12月14日号に発表した。

   「強靭な肉体」の男ほどリーダーの資質を持っているとみなされるというのだが、あくまで男性がその人物を見ての話。女性には通用しなかったという。

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強靭な体と同時に背の高さも影響するとは...

   実験は非常に念入りな方法で行なわれた。モデルになる様々な男性の大胸筋と上腕二頭筋の筋力を油圧式測定器で測り数値化した。そして上半身だけ白いタンクトップ1枚という姿で撮影し「肉体美」がわかるようにした。写真は背景や角度を均一にし「筋力」のイメージだけが浮き彫りになるようにした。

   男性の被験者に、これら男性モデルの写真をコンピューター画面で次々に見てもらった。被験者には、「ある会社に入社する人々だ」と伝え、次の3つの点で評価してもらった。(1)どの程度有能そうか(2)どの程度自信にあふれているか(3)どの程度将来の昇進が期待できそうか、である。さらに、「この人物はリーダーとして適切だと思うか」「リーダーになったら他のグループのメンバーとうまくやっていけると思うか」についても尋ねた。

   その結果、筋力データーの数値が高い人物(強靭な肉体の男性)ほど高い評価が与えられた。特に「リーダーとして適切だと思うか」の質問では、強靭な人物ほど高い地位を与える度合いが高かったという。

   2番目の実験では、写真加工ソフトを使い、強靭な男性とひ弱の男性モデルの、肉体と顔の部分を入れ替えて被験者に見せた。すると、実際はひ弱なのに肉体だけ強靭な人物を、優れたリーダーとして評価する傾向がみられた。

   さらに最後の実験では、筋力ではなく、身長の高さが評価に与える影響を調べた。写真加工ソフトを使い、同じモデルたちを高い身長と低い身長の2種類を作り、次の順番で並べて見せた。(1)右から順に2人の背の高い人、2人の背の低い人が並ぶ(2)左から順に2人の背の高い人、2人の背の低い人が並ぶ(3)全員同じ身長にして並ぶ。すると、同じモデルでも身長が高い時にリーダーとして高く評価する結果が出た。同じ身長のモデルが4人並ぶ場合は、強いイメージのあるモデルの評価が高かった。

マッチョを好むのはオトコだけ、女性は...

   以上の実験は男性が被験者だったが、同じ実験を女性に行なうと、結果は個人差が大きく、バラバラだった。男性のように、見た目の強靭さや身長とリーダーシップを強く結びつける傾向は見られなかったという。

   今回の結果について、女性であるアンダーソン教授はこう語っている。

「たくましい男性が強いリーダーとみなされ、より高い地位につく結果は、多くの実例と一致しています。ただし、肉体的に印象の薄い男性も悲観する必要はありません。実は、『他のグループのメンバーとうまくやっていけると思うか』という問いでは、やっていけそうもない攻撃的な人の評価は非常に低いものでした。温和であることがリーダーとして求められているのです」

   そういえば、レーモンド・チャンドラーのハードボイルドにこんな名セリフがあった。

   「タフでなければ生きていけない。優しくなれなければ生きている資格がない」

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