コンビニのバイト高校生が「未払い」に反旗 仲間含め「500万円」取り戻せたワケ

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   コンビニエンスストアの「サンクス」で働くアルバイト店員の高校3年生の男子生徒(18)が、アルバイトの労働問題を支援する労働組合「ブラックバイトユニオン」を介して、フランチャイズ加盟店のオーナーと労働協約を結んだ。

   「きちんと働いて、きちんとお金をもらうという、ちゃんとしたものが成り立っていない社会に僕は出ないといけないのか」と訴えた高校生が手にした成果は、インターネットで大きな反響を呼んでいる。

  • 賃金計算、「1分単位」は案外少ないかも…(写真と本文は関係ありません)
    賃金計算、「1分単位」は案外少ないかも…(写真と本文は関係ありません)
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男子生徒に約4万3000円を支払い

   埼玉県内の男子生徒(18)が、「サンクス」で働きはじめたのは2015年1月から。仕事に就いたのはこのコンビニが初めてで、週2回ほど勤務。時給は埼玉県の最低賃金の820円だったという。

   生徒が組合とともに「サークルKサンクス」のフランチャイズ加盟店のオーナーに改善を求めたのは、労働時間の一部がカットされて賃金が未払いになっていたこと。

   生徒が勤務するコンビニでは、ふだんは業務開始の20分前に入店。制服に着替えて15分前から仕事に就く。ところが加盟店のオーナーからは14分前に出勤記録を打刻するよう指導されたという。賃金は「15分単位」で支払われ、15分未満の端数は切り捨てられるため、生徒と組合は入店からの20分間の賃金が未払いであると訴えるとともに、勤務時間が切り捨てられないよう、「1分単位」で計算することを求めた。

   あわせて、売り上げの金額とレジ内のお金が合わないときに足りない分(違算金)をアルバイトに自腹で補填させることや、十分な休憩時間を確保できるように改善することも求めた。

   生徒と組合が加盟店オーナーに団体交渉を申し入れたのが2016年1月。ブラックバイトユニオンの母体である「総合サポートユニオン」の執行委員、青木耕太郎氏は3月15日付のツイッターで、

「生徒は組合とともに、今年1~3月に3回の団体交渉に臨席。会社側に、アルバイトも含む従業員約70人に対する、過去2年分の未払い賃金(計約500万円)の支払いや、売り上げとレジの現金が合わないときに自腹で補填した分の返還、今後は1分単位で給与を支払うことなどを認めさせた」

と報告した。

   高校生が労働協約を結ぶケースはきわめて異例で、ブラックバイトユニオンの共同代表、渡辺寛人氏は厚生労働省での会見で「高校生がユニオンに入って、会社全体(の労働環境)を改善したところに意義がある」と話した。

   すでにオーナーが経営する5つの店舗で労働環境が改善されていて、生徒自身も合計で約4万3000円の支払いを受けているという。

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