日本銀行は2016年3月15日に開いた金融政策決定会合で、景気の現状判断を前回(1月)の「緩やかな回復を続けている」から、「基調としては緩やかな回復」に引き下げた。景気判断の下方修正は消費税率を引き上げた直後の2014年4月以来、1年11か月ぶり。また、2月16日に導入したマイナス金利政策の効果を見極めるため、金融政策は現状を維持。追加的な金融緩和は見送った。マイナス金利政策の継続には、佐藤健裕委員、木内登英委員の2人が反対した。
さらに、投資信託のマネー・リザーブ・ファンド(MRF)にマイナス金利政策を適用しないことを決めた。MRFを受け入れている信託銀行が日銀に預ける当座預金の金利を、これまでのマイナス0.1%から0%に改める。
MRFは、証券会社の顧客の余裕資金の受け皿で、株や投資信託の売買に使う「決済口座」の役割がある。集まった資金は短期国債などで運用しているため、マイナス金利政策の開始で元本割れするリスクが高まった。
投資信託協会が日銀にマイナス金利の対象外とするよう要請していた。