「おー、松本さん」と声をかけられるように
「仕掛け人」の松本さんは「夜明け市場」オープン後、積極的に地域にかかわるようになった。以前、四倉町に住んでいた頃は、地域でそれほど濃密な人付き合いはなかったという。一度東京に出ていわきに戻ってからは、地域になじむために祭りや商店街活動を手伝うようになった。すると顔見知りが増え、信頼が厚くなる。
「街を歩いていると、『おー、松本さん』と声をかけられるようになりました」。
地域コミュニティーに溶け込み、ビジネスの枠をを超えて街を活性化させようとの思いを共有している心地よさを実感するようになった。積極的に提案すると、年齢が若くても「仕事」を任せてもらえる喜び。周囲の暖かい応援に押され、やりがいは大きいという。
「夜明け市場」の店同士の連携も生まれた。イベントを開くと「ひと肌ぬぐか」と快く手伝ってくれる店舗経営者が少なくない。ビジネスだけの冷めた関係では、こうしたつながりは生まれないだろう。松本さんも、店舗支援のため経営面でアドバイスを送り、集客プロモーションやイベント開催を通じて「夜明け市場」全体の成長を後押しする。
現在、出店は14店舗まで増えた。出店申請中もあり、すべての店舗スペースが埋まる日も近そうだ。駅前の他の飲食店も増えており、「もしかしたら相乗効果が出ているのかもしれません」と松本さんは話す。共にいわきの街を元気にしていければと、願っている。