日経ビジネスオンラインに掲載されていた「セケンの勝ち方 逃げる女性は美しい」というコラム記事がインターネットで批判にさらされた。記事は取り下げられ、現在は読めなくなっている。
コラムが配信されたのは2016年3月7日で、筆者は作家・エッセイストの本島修司さん。その中で、「人生で達成できることは1つか2つ。女の人の場合、『仕事と結婚』か『結婚と子育て』ではないかと思う」などと持論を展開していた。
「女を馬鹿にしてる口調がまず腹立たしい」
「コラムとはいえ、女性差別が酷すぎる」「女性をバカにしている」――。インターネットには、本島修司さんが日経ビジネスオンラインに寄せた連載コラムへの批判が相次いだ。
女性の生き方について、「人生で達成できることは1つか2つ。女の人の場合、『仕事と結婚』か『結婚と子育て』ではないかと思う」と、2者択一のライフスタイルしかないかのうように記した。さらに、「女も『仕事も恋も諦めない、できる美人』という、テレビドラマが焚き付けた虚像を目指すより、30前になったら仕事をいったんお休みしてでも、心も経済面も安定させてくれる男を一度探してみる(仕事を捨てる)行為の方が、正しいように僕は思う」などと、女性の仕事、結婚、子育てへの自身の考えを綴った。
これに、BuzzFeed News(2016年3月7日付)が「『仕事に邁進して嫁に行きそびれ』 女性揶揄する日経ビジネスの記事に批判相次ぐ いまどきこれですか?」と伝え、疑問を投げかけた。
「日経ビジネス」といえば、「オカタイ」経済誌のオピニオン的存在。そのウェブマガジンで起こった騒動に、インターネットでは、
「こんなに不快な記事見たことないってくらい不快だな」
「女を馬鹿にしてる口調がまず腹立たしい」
「どれだけ偏った考えの人なんだろう。苛立ちを通り越して呆れ果てるわ」
「日経ビジネスか。矜持ってやつはないんだろうか?」
「それにしても担当はなぜ、この原稿にOKを出してしまったのか」
と、多くの批判の声が寄せられている。
加えて、
「ポエムみたいで読むのすらつらい。これでお金取るつもりなのがすごい」
「3回読んだけど何が言いたいのか、さっぱりわからん文章だった」
と、読んでみたものの、文章が理解しづらかったという反応も目立った。
日経ビジネスオンラインは、3月11日にコラムの掲載を取りやめ、「記事の意図が十分に伝わらず、読者の皆さまに誤解を与えかねない表現になっておりました」としている。
「半分あってる」の声も
コラムに寄せられた批判には、日経ビジネス編集部に向けられたものもある。配信元の日経BP社で記者の経験をもつ、ジャーナリストで昭和女子大学現代ビジネス研究所の治部れんげ研究員は、2016年3月13日付のYahoo!ニュース(個人)で「本当に悲しかったNBオンラインの記事」を寄稿。「(同社に)育成してもらった恩がある」としたうえで、「批判の根拠を説得的に示すことができていない」ことを理由に、「問題は筆者より編集者にある」と痛烈に批判した。
もっとも、本島さんコラムの指摘に賛同する声がないわけではない。
「読んでイラっとしたけど、たしかに仕事と結婚と育児(+家事)とこなしながら穏やかそうなのは芸能人だけかもな...」
「これ、事実やん。なんでホントのこと言うとダメなの?」
「『人間は万能にはなれない。できる女は、逃げている』。半分あってる」
といった具合。
なかには、
「これはダメだろ。男性向けビジネス誌の誌上とかでやらないと... ネットなら炎上するに決まってる」
との声もあった。