災害時に忘れがちな「排せつ」への意識  「携帯用トイレ」備え日ごろから訓練を

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両手を開けるための照明、ウエットティッシュも

   自宅でも携帯トイレは常備しておきたい。例えば幼い子どもを抱えた母親が、マンション高層階で「孤立」してしまったらどうするか。加藤さんが注意点として挙げたのが、照明だ。実は排せつ時は、両手を開けておかないとスムーズにできない。「片手に懐中電灯を持ちながら用を足すのは難しい」というわけだ。非常用照明器具のタイプに配慮するとよいだろう。

   もうひとつ、手の衛生も重要だ。あらかじめウエットティッシュやアルコールを備えておく。水不足の不便な暮らしが数日間続いても、子どもの手を拭いてあげたりできる。

   国土交通省は2016年3月4日、「マンホールトイレ」の整備・運用のためのガイドラインを策定した。マンホールトイレとは災害時に、マンホールの上に簡易な便座やパネルを設置してトイレ機能を確保するもので、日常的に使っているトイレと近い環境を迅速に得られるという特徴がある。内閣府も3月7日、災害発生時には避難者50人に1つの割合で避難所にトイレを設置することを目安にするといった、自治体向けのガイドライン案をまとめた。国レベルで、こうした動きが出てきた。個人でも、水や食料と同じレベルでトイレをどう確保するかを事前に考えておきたい。


(追記)日本トイレ協会ではウェブサイト上に、「災害用トイレガイド」のページを開設している。災害時のトイレ事情や、災害用トイレの選び方などを詳しく解説している。

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