生き残りは「エネルギー事業」と「ストレージ事業」が柱
前出の栫井駿介氏は、「東芝はとにかく目先の危機を回避するのが先ですから、メディカル事業の売却で一連の不祥事から財務的にはひと息つけるでしょう。成長事業を手放すのは痛いですが、高値で売れたからよしとするしかないでしょう」と話す。
東芝のTMSC売却に、インターネットには、
「なんでカメラメーカーばっかなんだ。まあ、キヤノンなら大丈夫だろうが」
「中国でなくてよかったwww」
「東芝としては7000億円で売れれば御の字じゃないの...」
「まさかのメディカル社員勝ち組www 家電やPC社員はかわいそうに」
「富士フイルムのほうがよかったんじゃない?」
「もともと東芝の『本流』ではなかったからね。ここ以外売り物になるのないよね」
といった声が寄せられている。
とはいえ中には、
「おいおい、いくらカネが必要だからって黒字企業売っ払って生き残れるのかよ」
といった、今後の東芝を心配する声も少なからずある。
東芝が生き残りを懸けた事業は、「エネルギー事業」と「ストレージ事業」が柱。簡単にいえば、原子力などの発電設備事業と、半導体の主力であるスマートフォン向け中心のフラッシュメモリーの2つだ。
東芝の今後について、栫井氏は「6兆円もの売り上げを有する大企業ですから、リストラをやりきれば(業績は)上向いていくでしょう」とみている。
ただし、現状では海外需要に期待する原発事業も、スマートフォン向けを中心とするフラッシュメモリー事業も収益的には安定していない。他社との事業再編を目論む白物家電やパソコン事業も、なかなか前進しない。業績次第でリストラを繰り返す可能性もあり、「そう生易しいものではないでしょう」とも話す。