「3月11日生まれの人は誕生日のお祝いが一生できない」のか
今回のニュースはネット上でも大きな注目を集め、ツイッターの「トレンド」にも10日朝から昼にかけて「卒業祝い給食」「不謹慎」といった関連ワードが登場。ネット掲示板やツイッターなどに投稿された意見を見ると、
「震災や亡くなった方を思うのも大事だろうけど、成長して巣立っていく子供達をちゃんと祝ってやれ」
「じゃあ3月11日生まれの人は誕生日のお祝いが一生できないよな」
「死者を出した被災地ならともかく、過剰な自粛は震災を利用してるみたいで嫌だな」
など、「震災と卒業祝いは全く関係ない」と訴える投稿が目立つ。あるツイッターユーザーが10日朝に開始した2択アンケートでは、17時までに集まった3583票のうち「震災の日と学校の祝いは分けて考えるべき」が96%(3440票)で圧倒的な支持を集め、「震災があった日であるのでお祝い事は控えるべき」は4%(143票)だった。
3月11日の卒業祝い給食を「不謹慎」と考える人がいる事を、当の被災者はどう感じているのだろうか。震災で家族を失った宮城県在住の20代男性は、10日のJ-CASTニュースの取材に、「卒業と震災は全くの別問題だと感じますし、今回のような指摘をされる方に対しても、どこか違和感を覚えてしまいます」と語る。
また、東日本大震災の被災者支援団体を11年6月に立ち上げ、16年3月現在も被災者と直接的な交流を続けている埼玉県在住の男性は、「私が被災者の心境を代弁してよいものか分かりませんが」と語りつつも、J-CASTニュースの取材に応じた。
「中学生の門出を阻害するような今回の指摘は、被災者の方としても不本意に感じるのではないでしょうか。もちろん、このように声を上げて頂くこと自体が『ありがたい』と感じる方も多いことは確かです。しかし、今回のような形で震災が取り上げられることで、逆に心を痛めてしまう被災者も少なくありません」
続けて、4年以上にわたって被災者と交流した自身の経験から、「3月11日の震災を忘れないことは大切なのですが、今回のようにナーバスな問題として神経質に扱い続けることが、本当に被災者の為になるのでしょうか」と疑問を呈した。