フェイスブック(FB)のプロフィール欄で(携帯も含め)電話番号を「非公開」に設定したにも関わらず、知らない人から検索されてしまう――――そんなケースがある、とネット上でちょっとした騒ぎになっている。
それは「電話番号検索」。フェイスブックの検索窓に電話番号を入力して、アカウントを検索する機能だ。つながりたい人とよりつながりやすくなる一方、電話番号を把握していたり、無作為に数字を並べたりすれば、他人の個人情報にアクセスできる場合があることにもなる。
自分の知らないところで自分のアカウントと電話番号が紐づく
フェイスブックには、一般的な名前検索以外に、電話番号でアカウントを検索できる機能がある。検索窓に電話番号を入力すれば、その電話番号を登録しているアカウントが表示される仕組みだ。
自分のアカウントを電話番号で検索できるようにするには、プライバシー設定の「電話番号を使って私を検索できる人」を調整する。検索可能な範囲を「全員」から「友達」まで3段階に設定でき、デフォルト(初期設定)の状態では「全員」となる。なお、「非公開」には設定できない。
名前を知らない人ともつながれる点では便利だ。しかし同時に、登録している電話番号をプロフィール欄で「自分のみ表示」(外部に非公開)と設定したユーザーにとっては、自分の知らないところで自分のアカウントと電話番号が紐づけられてしまいかねない。
検索可能範囲を調整していない場合、フェイスブック上でつながっていない人物でも容易に自分のアカウントを見つけられるためだ。もっとも、検索可能範囲を「友達」までに設定するか、そもそも電話番号をフェイスブックに登録しないか、2つの手段でそれは回避できる。
ただ、この機能は意外に知られていなかったのか、ツイッターで
「これは怖い」
「チェックしなきゃ!」
といった声が寄せられている。何を隠そう、記者も今まで知らなかった。何気なく検索窓に自分の電話番号を入力したら、なぜか自分のアカウントが表示されて驚いた。
電話番号を消した途端、電話番号登録の催促メッセージが
さらに記者が、登録していた電話番号を削除した途端、タイムライン上に「電話番号でセキュリティを強化して、アカウントをより使いやすく」と、電話番号登録を促すメッセージが表示され、その中で「電話番号は他の人には表示されません」という注意書きも確認できた。確かに、「設定次第では」他人の電話番号とアカウントを紐づけられなくなる。
一方、電話番号を登録しておくメリットもある。とりわけ「ログイン承認」や「ログインアラート」といったセキュリティ機能を使うには必須だ。これを使えば、自分ではない第三者が不正ログインしようとした際、本人確認のSMS(ショットメッセージ)を自分の端末に送ってくれる。電話番号の登録によって「セキュリティを強化」できる面もあるわけだ。
では、電話番号検索の機能を実装した理由は何なのか。そして、プライバシーやセキュリティ保護の面で何らかの対策は施されているのか。フェイスブックジャパンの広報に取材すると、
「デフォルトのプライバシー設定では、利用者の皆さまが繋がりたい方をメールアドレス、電話番号など、登録した情報を元に簡単に探せるようになっており、繋がりたい人と簡単に繋がることができます。また、モバイルとデスクトップ、全てのプラットフォームにおいて、電話番号での検索に回数制限を設けております」
と回答を寄せた。